弟がと離婚してからは、思い出すのも嫌な様子で、避けられているんだ。彼女の実家との連絡も取れない。かろうじて、財団経由で仕事を引き受けてもらえるだけだ。何でも良い。元気にしていた――それはわかった。……ああ、そういえばチュロスが好きで、暇がアレば何時も弟と一緒に食べていたな。いまでも――あの船でも食べていたか?あとは――そうだな。次はどこへ行くか話してはいなかったか?[どこか懐かしむような表情を浮かべる。ようやく感情らしいものを女は覗きみせた。]