可哀想に……。[その狼が、次の餌場をこの村に求めた時点で運命は決まっていた]あの村は私が護ってきた村だ。[我が身を守る城。人狼騒動の起きぬ安心して暮らせる村。その村を壊そうと言うなら。初めて会った同族と我が身を守る村人を秤に掛け、異能の牙はその狼を屠った。50年近く過ごして来た村人に対して、少なくとも血に狂った同族を見捨てる位は情は持っていた]