―前夜、宿に到着した頃―
[ソリに被せていた莚を外し、雪を落とす。
ソリの足に布をかぶせれば、そのまま宿の中まで引っ張っていける。〕
こんにちは、レジーナさん。またお世話になります。
[ぺこりと頭を下げ、長期滞在の手続きを取る。今回も春の声が聞こえる頃まで。】
[モコモコに着込んだレジーナに問うシモンの声>>25に、ふと顔を上げる。
レジーナが出かける。留守番はゲルト。普段から食事なんて作ってないゲルト。食事は期待できない。
いや、「期待できない」ではなく、「リーザの口にできるものはオットーの配達するパンしか出ない」というべきか。]