[道化師に差し出した地図、ある一角を指さして]この国に行くことがあれば、花を、一株。自生しているものを、採ってきて頂けませんか。[魔王の領地で手に入らない花を、と。道化師に願ったのは、そのたった一度だけ。あの時の花はもう枯れてしまったけれど、残った種が新たな花を咲かせて今に至っている。望郷の想いもあったそれは、今ではこの地に根付いた証となっていて]