人狼物語−薔薇の下国

447 ―::ポルターガイスト::―2―


学芸員 オクタヴィア

― 廊下 ―

[少しばかり薄暗い玄関では、古い柱時計がカチ、コチとしかつめらしくリズムを刻んでいた。
彼女曰く、この柱時計はこの屋敷に勤める家庭教師の1人で、彼女は様々なマナーを彼に教わった、と。

普段は静かに、けれど大切なことははっきりと話すこと。
決してでしゃばらないで、でも必要な時には傍にいること。
人目のない時も、背筋を伸ばしてまっすぐ立つこと。
そして、廊下は走らず、リズムよく軽やかな足音で歩くこと。

彼女はそう教えてくれたが、お転婆だった自分は、最後の一つに特に苦労したっけ。
これほど広くて長い廊下で、シーツとクッションで滑って遊ぶことが出来たらさぞ楽しいだろうに。
私がそう言うたび、彼女は難しい顔でなにやら考え込んでいたようだ。

なるほどお嬢様も楽ではない>>36、さて彼女は何を考えていたのだろう、なんて思い出に浸りながら、あのころよりも幾分か重くなった足取りで、柱時計の前を横切った。

そして、こっちだよ、とでも言いたげに開いている扉>>63のほうへ。
たしかあの向うはキッチンだったか。
もしすでにお湯が沸き始めているのなら、茶葉をさがして戸棚をあてずっぽうに開いていくだろう]**

(65) 2016/09/13(Tue) 14:13:38

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