――シュヴァルベ、か。[学生時代を過ごしたかの地へ、このような状況で再び赴くことになろうとは。 開戦して以来、台所は完全に無縁の場所だった。 じっと左の掌を見れば、多数の擦り傷にまみれゴツゴツとしている。 かつては何ともいえないバターの芳香をまとっていた男からは、もはや弾薬と土埃の臭いしか漂ってこなかった。**]