[脱力したように背を預ければ、椅子の背もたれが大きく反った。ギシリ。とあがる抗議の響きを無視して、そのままゆらゆらと身を浮かす]…――――。 おまえの手は、 届いたか……?[応える声は当然のように無い。敵兵と折り重なったとは言っていたが、その敵兵が、あのヒンメルだったかどうかを知る術は無かった。だからこれは、唯の勝手な想像で。自己満足な願望だ。 二人が共に、逝けたのなら――…いいと]