……アルビン兄ちゃん、きちんと弔おう。
[泣き出しそうな衝動に何とか耐え切ってから、佇む商人へ向けてそう切り出した。
このまま、こんな場所にディーターを置き去りにするのは気が引ける。
ペーターひとりの力では大人を運ぶのは難しいけれど、アルビンの力を借りることができれば、遺体を宿まで運ぶ事はできるはずだ]
それで、他の二人を探そう。
[失われたたくさんの命に振り回されて、呆然としているだけなんてもう嫌だ。
ペーターの力では、何もする事なんてできないかもしれない。
けれど、はじめから諦めて何もしないよりは、何かしようとして無理だったほうがずっとマシだ。
現実にただ押しつぶされているのではなく、きちんと未来を見据えていきたい。
例え、進む道の先が暗く重たいものであったとしても]