[銀嵐の中で悲しみに暮れていくうちに雪が自分に積み重なる]
(寒い…自分は、今生きているんだな…)
リーザ…室内へ入ろうか。他の人にも帰ってきたと知らせよう。
[しばらく、時間がたって、ようやく出てきた言葉がそれだった。
少し生意気で我儘な少年の姿をしたペーターは、オットーの世界から消えてしまった。
今もここに身体はあるけれど。魂がここにいない。
この身体に存在しない以上、弟の魂はここではないどこかにいるのか、それともいないのかということは能力の領域を超えていることだ。
でも、このまま…泣き疲れて二人とも凍死なんて事態になったら馬鹿以上の悪態をつかれることは間違いないだろう]
それからどうしたいか、ゆっくりと決めよう。
[彼女には辛いだろうがジムゾンの死や人狼の――いや、彼らのことも話さなければならない。数日のうちに失われた命たちも語ることは多い]