[ 通路で、しばらくぼんやりとしたあと。
そのままNルームへと向かう。
それはきっと、ガートルードが立ち去った後だっただろう。>>37
コクーンで眠るディークの姿を焼き付けるように、
その蓋の上から、頬へと手をのせて。
爪痕が肩口の服を裂き、食いちぎられた喉元が痛々しい。
知っていた、そうなることを。
それを口にしなかった、一番の卑怯者は私だった。 ]
どうしたら、いいんでしょうね。
[ 物言わぬディークだからこそ、零せた言葉。
心の中の "ほんとう" は分かっているのに。
分かっているからこそ、苦しくて、辛い。 ]