[走る。上へ、上へ、ひたすら上へ。辿り着くのは]
やぁ、久しぶりだね…!
[は、と乱れた息を整えるようにそう言えば、語りかけた機体へと近寄り、慣れた動作でコックピットへと身を滑り込ませ。愛おしむような手つきで二度撫ぜると足元奥から小包程の箱を取り出し]
本当はコイツに頼りたく無かったんだが…仕方ない。
[蓋を開ければ機械が顔を覗かせる。苦手な者でも分かる操作法―曰く、『とりあえず此の釦を押せ』と言われた声を思い出して、その通りに押下すると蓋を閉めて肩に掛け、再び艦内へと戻ってゆく、]
じゃあまた、ね。
[必ず戻ってくる、との意志を映して言い残し。]