

[頭に重々しく響く声が、口付けに耽る意識を引き上げた>>0
魔物を統べる強者、その鷹揚さに感服し――
そう思う自分には、やはり浄化の力は過ぎたものだったとそっと笑う。
緩やかに開けた視界は、闇に沈む園庭が月光に浴す、別離の夜と変わらぬ光景>>50
ただ月相だけが移り、何時もは夫と離れて過ごす新月も、
共に越していたのだと知る。
隣から抱き寄せる腕は気怠げに、しとりと重い。
肌からじわりと滲みる精霊力は、自分の知る何時より弱く]
っ、ルート、大丈夫――!?
[長身を支えようと伸ばした腕ごと抱き込まれ、
含ませる甘い声音にゆっくりと瞬いた]