パメラ、おい、パメラ![へたり込んだ彼女の肩をしばしがくがくと揺すぶる。しかし自分から動こうという気配はない。少し考えてから強引にパメラを厨房へ連れて行く。宿屋ではレジーナの手伝いで料理をしていたから、ここが一番馴染む場所だろうと判断したのだ。]お前はもうこんな残酷な場面を見ちゃいけない。あとはお兄ちゃんに任せるんだ。[男はいつもと同じ、妹を愛する兄の顔を取り戻していた。パメラを椅子に座らせ、その前のテーブルに熱い珈琲を置く。香ばしい豆の匂いで、血の気配を少しでも消そうと。*]