[騙す利点がないわけではない>>58と聞いて、私は「そうなのか?」と軽く返す。
次いで、正体を明かして恐れ戦かれるかと期待していたらしいと聞き、私は伝承についてを思い出した]
伝承に於いては、私の祖先と強く対立していたのだったか。
如何に言い伝えられていようと、私にとっては遥か彼方の出来事。
世は移り、新たなる変化も齎されている。
君とて、かつてのまま、と言うわけではないのではないか?
[本質は変わらぬとしても、取り巻く環境が変われば僅かなりとも変化はあるはず。
少なくとも、目の前に居る人物が今、私と敵対するようには見えなかった]
過去に囚われて一方的に君を敵対視する気は無いよ。
私は、私自身の眼で見たものを信じる。