―天使長私室―
[ゲルトを連れて部屋に戻り。]
ゲルト。
まずは落ち着くのだ。深呼吸をするのだ。よいな。
[という本人も落ち着きをだいぶ欠いているわけだが。
目に見えて焦った様子で部屋の奥から大鏡を引っ張ってくる。
普段の彼からすればだいぶ挙動不審である。
これを見せた後のゲルトがどう反応してもいいように、自分も二度深呼吸をしてから]
ゲルトよ。
これが今の貴殿の姿だ。
[そう言い、ゲルトに自身の全身が見えるように、大鏡を移動する。
……なお、この時本人は気づいていない。
部屋の扉を閉めるのを忘れているということに………。]