― 舞踏場・近辺 ―
そう……『種』は、文字通りの『種』……可能性を芽吹かせるもの。
それを受け入れぬ者に刈らせてしまう訳には、ねぇ。
[『異形種』というモノに、絶対の認識を持つ奏者の声に揺らぎはない。
彼にとっては、それを否定する要素は何一つ存在しないから]
ああ、複数の狩人が入り込んでいるようだね。
クレステッド君は、自ら狩りたい者がいるようだったから、ソレを探しに行ったんだろう。
……琥珀の風刃……か。その名は、初めて聞いたかな。
[何気ない口調で返しつつ、ヴェルザンディの声の微かな震えに奏者は目を細める]