― 龍峡・天龍滝への道 ―ああ、流石に、もう一度、あんな騒ぎは、俺とて御免被るな。[『狂焔』の名が出れば>>51肩をすくめるようにして、そう返したが、笑みを浮かべたままの表情は、本気で倦厭しているのか若干微妙にも見えたか。]何、俺一人しか送らなかった所を見ると、戦になるほどではなかろう。少々の火の粉であれば、良い暇つぶしだ。[ 難儀と言われれば、笑みは余計に深くなる。戦火を厭わず、むしろ騒乱を探してくぐり抜けるを常とする主従が、相変わらずであることも、伝わっただろう。 ]