[どうやら言葉に感情を乗せるのはいいらしい。
涙目のトーマスを見て、ああ行きたいのだなと理解した。
それにしても、彼は気付いているだろうか。
詳細は知らないが、おそらく王宮で”冒険者へ案内する任”でも承ったのだろう。
ーーーもう必要が無いという事を。]
トーマス。非常に申し上げにくいんですが…
貴方と同じ任に就いていたヨハンやリット…
もう普通に喋ってますよ…?
「はっ!?!?はじっ!?!??
おぃっすたぁあああああぶぅうう!!!!」
[あ、やっぱり知らなかった。
目を見開きながらも、台詞とは別の言葉を発しなかったのは褒めるべきなのだろうか。
王宮へと猛スピードで走っていく彼に、小さく十字を切った。]
神のご加護があらんことを。アーメン。