[違う、うわ言の様繰り返されるその言葉は。
先程の『私じゃない』と云う。ゲルトの亡骸へ対する過剰反応であろう。
そこまでは察せたが、傍から聴く身には、彼女の過敏な錯乱は却って逆効果だろう]
……誤解です、アルビンさん。
彼女は今朝から僕と共にいました。
彼女が殺した訳ではありません。
[実際、何を根拠にかは解らないが、フリーデルを端から犯人と決め付けている様子のアルビン>>31を宥める様に。
口調を、元通りの余所行きの言葉へ直す努力をしながら、フリーデルの様子にも視線を向け続けていたが。
少なくとも、彼女を視る目に、断定的な弾劾は存在していなかった]