[すり潰した葉を渡し、更なる調合の後に混ぜ合わされる様>>52を、三角座りをしながら眺める。
材料も手順も覚えてはいるが、師が何か作業をする時、他に指示がなければ、いつもこうして見ていたものだった]
外界と閉ざす……。
[意外にも師は一つの提案を上げたが、しかしそれは簡単には出来ない決断だった。
行商で行き来する品や発達しているとは言えない学問・技術のことを思えば、それがグリュングレースにとって幸福な状態であるかはわからない。
思案している所に、初代の話を持ち出されて]
あの時は、飢饉を救ったのだとは言われていますね。
ただ、何分昔のことですから。
[真実かはわからないし、恐らく周辺の情勢も、今とは随分違う頃の話だ。
この伝統に繋がる"何か"はあったのだろうが、それは自身でも確証は持てなかった]