→ 1階 ―
皆、おはよう。随分と早いな……むっ、なんだこの臭いは!
[あくびをしながら現れたときには、既にゲルトの遺体は布団で覆われていたけれど、鉄錆のような臭いはあたりに漂ったまま。人間の身でも十分嗅ぎ分けられるそれに、顔をしかめて見せた。
そこに誰がいようとも、自分は羊飼いの悲鳴を聞いてないとの前提で、何も分かってない表情を浮かべながら1-2号室を覗き込んで、ひっと声を上げた。]
なっ、げ、ゲルト!ど、どうしてこんなことに……。
[変わり果てた幼馴染の前で、しばし呆然と立ち竦む。
しばらくして焦った様子で辺りをきょろきょろすれば、目を見開いたままの妹>>27を発見した。]