―翌朝―
「おはようございまーす、先生、写真撮って!」
ああ、おはようございます。ちょっと待ってくださいね。
[レポートの入った段ボールを抱え、部屋の扉を開けたところを呼び止められる。
生徒も思い出を残したいのだろう。快く返事をし、カメラを受け取ろうと箱を置いて一歩前に出たところで―]
[カチッ。]
あ、……はああー…!
[オートロックです。部屋を出るときには扉近くに刺していたカードを抜いてホテルを出るときに返却してください。こう言ったのは自分なのに。
目撃していた生徒達が涙が出るほど笑ったのは言うまでもない]