[夜には視界さえ塞がれる大銀祭。窓や扉も迂闊には開けられない程]
……宿屋、行かないとだめか……。
たく…宿屋いくだけでも、なかなかキツいのにな……。
[23年、冬の日常の如くに慣れた、豪雪害の際にお決まりの流れ。
宿屋への移動を出来るだけ速やかに済ませるのが常だが。溜息が漏れる。
宿屋に行き難い以上に、銀世界の中は例え宿屋までとはいえ結構骨に沁みる。
羽織、2枚と言わず、5枚や10枚は重ねたいな……。
宿屋へ移動する旨をやはり兄から聴けば、陰鬱した溜息とともに、ブラックの珈琲を迷わず口に含んだのだ**]