やはり、追ってくるか。
[ 最後に派手に離脱したリヒャルト達は、格好の的だ。必ず追跡されるだろうと睨んだ通りに、一人の兵士が>>46霧の中から姿を現す。
いくらか霧の効果で足が鈍ってはいるようだが、それでも常人よりは遥かに速い。
闇の結界を纏ったまま、男はその前に飛び出し、腰のサーベルを抜き放ちざま、横薙ぎに揮った。 ]
『くあっ!!』
[ 不意をついたとはいえ、ウルを服用した兵を一刀の元に切り捨てるのは難しい。兵士は横一文字に胴を裂いた傷を押さえて、襲いくる刃を振り払おうと、握っていた手斧を振り回す。
闇雲な一撃でも体に当たってしまえば、結界の魔法は破れて、男は兵士の前に身を曝すことになる。 ]