[足の裏に地面の固さを感じて、思わず閉じていた目を開く…咄嗟に空を見上げる、けれど空から落ちてくる人影はみえなかった]
――…。
[あれは、助かる高さではなかった。それができるかできないかは知らないが……あの化け物、に助けられた――の、だろうか]
なんで
[女性と間違われた、などと失礼な話だ。どこを見ているんだという気持ちがないでもないが、少なくとも彼が自分をどこかの女性と勘違いしていなければ、自分はとっくに死んでいたのだろうと思うとそれを安堵すればいいのか焦ればいいのか、感情の落としどころに困る。
再び会いたいかといえば全力で首を振るが、あの高さから落ちたのかもしれないあの化け物が、自分と関わりにならないところで無事であればいいと思う程度に絆されているのに苦笑した]