― 街中(酒場へ向かう途中) ―
[神に仕える身だからといって、禁欲生活を送っている訳ではない。服装もそのままに、酒場へ向かう途中。街中で突っ立っている兵士を見つけた。]
こんばんは、トーマス。
今日もお仕事ですか…?ご苦労様です。
[長年この街に住んでいる身であれば、兵士達と顔馴染なのも当然で。
ただ、王宮に呼ばれたあの日から彼は変わってしまった。]
「始まりの王国、オイスタープへようこそ!」
[何を話しかけても、彼はこの言葉以外喋らなくなった。
もはや呪いの類なのだろうか。しかし全くと言っていい程、解除出来る気がしない。]
トーマス。貴方も行きつけの酒場。
今日で閉店だそうですよ。行かないんですか?
「……!?…は、はじまりの王国……
オイスタープへ……ようこそぉおお……。」