― 温泉宿 ―
[それカら、温泉宿へト向カい。トりあえず一泊部屋を取り、荷物ダけ置いテ早速温泉へト足を向けル。
百合の湯カ混浴ナのカそうでナいのカハ知らナいガ、何方にシロ她トハ共に温泉に入ルつモりダっタカら。混浴ナらばそのまま、分カれテいルのナらば男湯の方へト連れテ入っタ事ダロう――他の奴等に僕の女神の姿を見せルのハ、少々口惜シクハあっタけれど。]
ほラ。手、上げテ。兎ハ隣に置いテ。
……そう言えバ、温泉ハ初めテなのカ。
[脱衣所にあルベンチに她を座らせ、自分ハその前に屈み。她の持つ人形を脇へト置クように言い、その身に纏うドレスを脱ガそうトすれば她ハ言う事を聞いテハクれタダロうカ。
故郷でハ何度カ温泉に入りハしたガ、此方に来てかラハ久しぶりダ、と少し懐かしイ気分ニなりながラ。
……それにシテモ。
こうシテ風呂の世話ハさせテクれルのに、以前スカートを捲っタ時にハこっ酷ク怒られタモのナのダガ。
どうにモ她の基準カ解らナい、ト少々怪訝ナ顔をシつつモ、ドレスのリボンを解こうト腕を伸ばシタ。]