[どうやら不運なことに、フェリクスが病を発症したのは入植者達の中でも後の方であったらしい。毎日毎日誰かが息を引き取る。そんな地獄のような環境にあってすら、彼は手記を記すことをやめなかった。そんな彼も、最期の瞬間は"最後"ではなかったようだ。フェリクスの手記。マクワイアの家の中でも知る者の少ないその書物の最後の頁には、"望まぬ別れを許して欲しい"《I want you to forgive the desired unexpected farewell.》宛先すら書かれていない一文のみが綴られている…。]