[思いもしない、仕込まれていた毒に驚いたのかも知れない。オットーが何かを話しかけてくるが、恐怖に囚われた少女に理解することなど出来ずに] まだ、……生きてる。 殺さなきゃ。――殺さ、なきゃ。[振り上げる刃は、人狼のひと睨みに押し止められる。鎖のように全身を絡め取る、押し潰すような殺気を受けてしまえば、立つことすらもままならず、かくりと膝から力が抜けて、その場にへたり込んでしまうだろう]