― 平原南 ―
[ガァン!と盾を叩き付ける音が響く。
それに重ね届いた、カナンの夢>>57。
何を変えるのか、どう変えるのかは分からねど、その夢を叶えようとする熱量が伝わってきた。
音に負けぬ声の力強さが本気度を示している]
ゼファーの何を変えるって言うんだ!
[聞きたい。
彼が何を、どう変えようとしているのかを。
外へと払った右手はカナンの盾を外に弾き飛ばしきれなかったけれど、ズレた盾の奥にカナンの顔が見えた。
その瞳をじっと見詰め、カレルもまた声を張る。
剣を受けた左腕からは紅が溢れ始めていた。
小盾を繰るために力を込めればその量を増すことになるだろう。
走る痛みに耐えながらの動きが最初より鈍っているのは明らかだった。
それでも小盾を構え、流した右腕を引き戻して剣を振り下ろすタイミングを計っている**]