― レトの部屋→自室 ―
さ…いて…だ…、俺…っ、…最低だ……!
[血で汚れた服のまま、ふらりとベッドへ倒れ込む。
隣の部屋からは、まだ誰かの血を啜る音が聞こえてきただろうか。
例え聞こえなくても、両手で耳を塞ぎぎゅっと目を閉じる。
結局、レトを信じられなかった。
普段それどほ話したことのない、おそらくまともに会話をしたのは、あれが初めてだったろう。
それなのに「お前と兄ちゃんの味方だ」と、そう言えるレトが眩しくもあり、羨ましかった。
信じられたらいい。そう思っていた。
>>2:355けれど図書室で兄に『露骨な共闘や理不尽な追い落としの気配』と聞いて、急に不安になって票を変えたのだ。
誰に入れて良いかわからず、自分に入れていた票をレトへ――。
そして、生き延びるためのエサにしたのだ。]