[そう考えていた時、
『人狼は間違いなくこの船にいるんだろうねえ』
という彼の、何もかもを見透かしたような、事実を知っているかのような目>>52に、つい、ビクリと体を硬直させて……目を逸らしてしまった。
この状況を見れば、ごくごく当たり前の言葉であるにも関わらず、バレたような感覚と話せていない後ろめたさ。
それが、傍から見れば図星をさされたかのように見える反応であるとは気づかずに。]
怪しい……ね。
そうね、セルウィンを除いて、
強いてあげるとするならばアレクシス、
ツェーザルかしら?
まだ会ったことないもの。
……会った人の中でって言うのなら
……オズワルドかしらね。
乗客の人だけれど、……なんて言うか
この状況に怯えもなく、状況を楽しんで
いるようにさえ思えたから。
[そう答えるも、何処か歯切れが悪い。
それは知らないという、そんな理由で疑っていることへの罪悪感か。
それとも、ニコリ笑うローの顔が、同じ笑みにみえるのに、……先程とはどこか違ってみえたからか。]