―回想・アリーセと―
[非バグなら固定観念で発言するのは避けるべきというアリーセの言を、背筋を正して頷く。
自分は常にアリーセに不利益ばかりの発言をしていると思っていた。
対象は間違っていたが、はっきりと「フィオンが一番怪しい」と言ってくれる彼女は今までで一番意思の強い眼をしていると思った。
思えば彼女はうなだれる事はあっても、へし折れるような事は一度も無かったのではないのか?
そんな思いを胸に]
飴ちゃん食べる?喉飴は切らしてるけど。
賄賂。
[アリーセの目の前に一つと、皆が取りやすい位置に袋ごと置いて。
自身も、その色とりどりのキャンディーからレモン色のものを選んで口に放り込んだ。]