――っっ!!
[目の前の惨状>>55に、嘔吐感をこらえ続ければ歯の根が合わなくなってくる。
尻もちを着いたままの状態で、今何をすべきかと思考を巡らせたのならば、脳裏に浮かぶは音の主]
(伝えなきゃ、伝えなきゃ……!!)
[手段は忘れてきてしまった>>のだが――、今の男はそこまで思考が回らない。]
(あれ、おかしいな。もう一回やらなきゃ――…ああ、駄目だ、もう一回。早く、早く急がなきゃ……)
[誰かが静止しない限り、何もない右指を、ただ、ガリガリと引っ掻き続けるだろう。
皮膚がめくれ、その指が真っ赤に染まるまで**]