[視線を移した先は、白を纏う男。心に氷を宿す…だったろうか。言われた言葉を漠然と思い出し、再度少女へ視線を戻す。] …私は、幸いであったようですね。[己を呼び出したのが、貴方で。呟いた言葉は、独り言。主に聞えたかは分からない。対する青年と、花神へと目を向ければ、あちらはさほど“弄られた”様子は見えない。けれど、青年が人ならざる業《わざ》を用いる以上、彼らにも何らかの契約が結ばれたはずである。…あの、純朴そうな、青年も。上空にいる女性も。既に、ただの人ではないはずなのだから。*]