魔法だなんて、とんでもない!
素材がいいからだよ。
リナの作るチーズや、パメラの摘んでくれた木苺、
毎日持って来てくれる、ヤコブと一緒に作ってる野菜…
そのどれが欠けても、僕のパンは完成しない。
ありがとう、いつも。
…僕が美味しいパンを焼くことができるのは、君のおかげなんだ。
[パメラに褒められて>>53>>54、少々饒舌になり過ぎてしまった。
はっと我に返って、余計なことを口走ったと後悔した。顔が火照っている気がする…。
どこか思考はふわふわと浮いたようで、彼女の口から紡がれる言葉の半分は、意味をほとんど解せず聞き流してしまった。
――あぁ、ふわりと微笑むパメラが可愛い…>>54]