― 回想/16年前 ―
[二人だけに届く声を楽しんでいたせいで、重要なことをすっかり忘れていた。
それに気付いたのは、意識に届く声と同じ声が耳に届いてからのこと>>44]
あっ。
ぼくはオクタヴィアス・ノイアー。
よろしくね!
[今気付いた、と分かるような声も零して、オクタヴィアスもまた名乗り返した。
その日は直ぐに分かれることになったが、以前のように残念には思わない。
離れていても届く声。心が繋がっているから]
[出逢って間もない少年を、テッドと愛称で呼ぶようになるのに然して時間はかからなかった**]