[村を出て数年経ったある時。村に帰ってきたアルビンはパメラに訊いた。「昔の頃のように街で暮らしたいと思わないか?」パメラが村に来たのはたった5歳、街に居た頃の記憶なんてないだろうに。
パメラは何と答えただろう。直ぐさまアルビンは「何でも無い」と言って話しを中断したが。帽子で顔を隠して急いでその場を立ち去ったアルビンの耳が赤かったのにパメラは気付いていたか。
そして、パメラとヨアヒムが恋人となったと聞いたのは何時の事だったか。アルビンはヨアヒムの事が苦手だった。いや、子供の頃は一緒に遊んだり悪さをして、仲が良かった筈なのに。険のある態度を取り始めたのはその頃からだっただろう。
ヨアヒムとの距離を感じる様になった理由をどうしてかなんて。ヨアヒムから離れたのはアルビンの意思だった。]