― マスターとの出会い ―
[目につくものは全て攻撃し、殲滅する。
そう刷り込まれた目覚めは、血の濃さをも凌駕した。
目覚めて最初に目についたイェンスに手を出した。
しかし本当の意味で取り返しが付かなくなる前に、ヴェルナーを改造した学者の娘フレデリカの叫びが、イェンスを危機から救った。
ベースとなった古代兵器の制御音声とうんたらかんたらー、や、フレデリカもまた特別な才能のある少女だから、やら。いろいろ理由はあっただろうが]
『ヴェルナー、イェンスには絶対に攻撃しないこと。
イェンスはヴェルナーや私に何があっても攻撃なんてしないんだから』
[そう命令され、イェンスには無遠慮な視線を投げるのみとなった。
今の思考回路で、兄弟だの何だのという概念が理解できているのか、表面には現れない**]