[前髪ぱさりの動作も、いつ来店しても斜めから現れる登場シーン>>52も、男にとっては見慣れたもの。全く動じずに、参った参ったと首筋をぼりぼりとかいてみせる。]
いやいや実は、親父に”お前はシューマッハ家の子供じゃねぇ!本当の親を探して、森でもどこでも行っちまえ!!”と蹴り出されちまってな。
……なんて。んな訳あるか。
親父は昨日隣村に出かけたよ。
[幼馴染で腐れ縁だからこそのノリツッコミ。オットーと会うときはいつもこんな感じである。
男とは違う意味でオットーから距離を置く村人もいるが、話していると楽しいし全然飽きない。故に、配達や買い物以外でも、気軽に顔を出していた。]
おお、そうだー。パーフェクトだぞー。この素晴らしい小麦粉を完全無欠なパン屋に捧げよう。
[パーフェクトの単語が出るたびに、厳かな口調でうんうんと頷く。自分とこの小麦粉が誉められて嬉しい。
それに幼馴染の極度のナルシストにも慣れているから、気楽な軽口を叩ける。
……だが。]