― 宇宙船発射場 ―
[時間を待つ間、左襟につけたピンバッジ型の通信機のスイッチを入れる。
対になったもう一つとのみ通信が可能な魔道具だ]
コンラート、離陸はいっちばん大事なところだからな。
よろしく頼むぜ?
[持ち場へつく前、対の片割れはパイロットのコンラート>>14へと渡してある。
操縦具合やトラブルを直接届けてもらうためだ。
『天使憑き』と呼ばれ一部の人間から奇異の目で見られてしまう彼だが、操縦の腕は折り紙つき。
開発段階から彼をパイロットに指名したのはマチスだった]
異名がなんだってんだ。
あいつの腕が確かなのは皆が知ってることだろ。
[何故コンラートをパイロットに選んだのかと聞かれた時、マチスはそう答えたことがある。
選出は当人の操縦技術を見てのこと、納得行かないなら彼以上の操縦技術を修得すれば良い。
そんな風にも言ったが、コンラートを超える者は現れなかった*]