[それにシテモ、百合の湯トハ言い得テ妙ダ。
百合カ表すのハ、純潔、無垢、そシテ威厳。遥カ西の方でハ、神の母を表す花ナのダそうじゃあナいカ。
幼ク、純粋で。無垢ナ程に残酷で、そシテ傲慢トモ取れル威厳に満ちタ僕の女神に、此れほど相応シい温泉ガあルダロうカ?]
――……ッおイ!暴れルナ、落ちルダロ!
行ク、行クカらちゃんト大人シクシテいロヨ。
[まダ見ぬ百合の湯に浸カっタ女神の姿に思いを馳せテいタのナら、どうやら她ハ待ちきれナクナっテシまっタようで。今にモ腕カら抜けダシテ走りダシテいきそうナ>>51她に、思わず焦っタように声を上げル。
ずり落ちそうにナっタ她の身体を抱え直シ、その拍子に日傘の影カら出タ脚ガじクりト痛んダ。
軽い火傷のようにナっタ足の甲に眉を寄せナガら、全クこの体モ不便ナモのダト思いつつ。
それでモ、まぁ。今カらきっト拝めルであロう光景を思えば、寄せタ眉モ自然に解けテ她を抱えタまま温泉の方へト向カっタ。]