-泉にて-
わざわざ付き合わせてすまない。
少し、こうなった経緯について話しておこうと思ってな。
せめてウェルシュ、君には…
私が堕天する直前、とある村が襲撃されたのは知っているかい?
あのとき私は、軍師という立場でありながら何もできなかった。
神のいう、規則というものに縛られてな。
それ以来、私は神が絶対的な主だとは思えなくなったのだ。
[思い出すように、ゆっくり、染々と。]
人間は優れた生き物だ。
神に頼りきるのではなく、自らの意思を尊重するのだから…
私はわざわざ我々が救う必要はないと考えているよ。
彼らの問題は、彼らで解決できる。我々は危険を取り除き見守っていればいいのではないか、というのが持論だ。
…と、下らない話を長々とすまないね。
しばらくは天界に滞在するつもりだ。
何かあったら声をかけてくれ。