[馬に後脚を跳ね上げさせて、包囲を狭める敵を蹴り飛ばす。投げつけられた丸盾を空中でキャッチして、手近な敵兵に叩きつける。鐙を外して爪先で蹴る。流れる血すら目つぶしに使う。 父親ほどの豪腕もなく、理に適ったチャールズの武も極めず、 エディのように馬をよく御すに足らず、サシャのような卓越した射手でもなく、 ディークのごとき天命も持たず── これが俺だ──命燃やす中でそう魂が叫ぶ。それは戦うというよりは踊るに似て、同時に、懸命にもがく生の発露であった。]