[ 瞬時、真横に倒れたのではないかと錯覚するほど左舷側の床が持ち上がり、次いで同じ程の揺り戻しがかかる ]
ぐあっ!
[ たまらず転倒した男は、そのまま床を数メートルも滑って、一度壁に激突してから漸く止まった ]
『大佐!』
大丈夫だ...生きてる。被害は...?
[ 頭を壁に打ち付け脳震盪でも起こしたか、視界が揺れる、が、意識は持っていかれていない。
ならば、まだ立ち上がれるはず、と、無理矢理に身を起こした途端、背中に激痛が走り息が一瞬止まった ]
(骨をいかれたな...)
[ 恐らくは肩か肩甲骨のどこかが激突の衝撃で折れるか砕けるかしている、とは判断がついたが、今はどうにもできない。
歯を食いしばり、そのまま、壁に縋りつつも自力で立ち上がる ]