[最初に生じたのは、戸惑いか。けれど、それは少しずつ、色を変えて行く。誰かが声を上げた。『お力になります』と。それを期に、声が増えて行く。声はやがて幾つも集まり、若き主君の名を呼び、願いに応える声が歓声となって大気を震わせて行く][力強く人々を率いるのではなく、穏やかに導く在り方。甘い、と思う者もいるだろうとは思う、けれど。その穏やかさ故に動かせるものもあるんだ、と。ふと、過ったのは、そんな事。*]