― 天上宮・庭園 ―……蒼の、済まんが、ここは任せるぞ。私は、天帝の御前に向かう。[こう言った場で皆に声掛けをしたりするのは、自分よりも蒼龍の方が向いている、と知るからさらり、そう言い置いて。開いていた翼を畳み、長く伸ばした髪を揺らして踵を返す。急ぎこの場を離れようとするのは、今後の対策もそうだが、何より。陽気を消耗した状態で、陰気を取り込んでいるであろう対極と顔を合わせるのを避けるため。もっとも、そんな内心に気づくのは声をかけた蒼龍と、当の対極くらいのものだろうが。*]