― 湖畔 ―
ここは神魔の領域なれば。
命尽きるようなことは望まれない。
[見下ろし続けるのは失礼か。スルリと湖面へ立つよに舞い降りて。
初めて見かけた時のことを確認されたなら頷き、監視の類いかと聞かれるなら不思議そうに小首を傾げながら、鈴鳴らすように言葉を紡ぐ]
あなたたちは、か…神魔が招いたもの。
選ばれたことにも意味はあるのだから。
[呼び名がちょっと縒れたのはご愛敬。
意識戻した王子様から慟哭が響けば驚き、再び上空へと舞い上がって。
主従の絆の交感を前に、霞がかるように気配を薄く薄くしてゆくのだった**]