― 回想・監査局 ―
[王宮の門前で起きた騒動は程なく鎮圧された。
負傷したアイリ総督の身を案じない事はなかったが、こちらから決別を言い渡したようなものだ。次に対峙する機会があるとすれば、どちらかが、あるいは両方が死ぬことになるだろう。
わたしはそれきり、アイリ総督の事を忘れる事にした。
頭の中を切り替えて、王宮の中を監査局長と進む。>>36
途中、フェリクス殿下とすれ違ったとしたら、わたしはこのように進言しただろうか]
フェリクス殿下、後でお目通り叶いませんか?
申し上げたきことがあるのです。
[果たして、これには是と返ったか。
その場を後にして、監査局に入った。*]