[頭を撫でてもらったことはもう数え切れない程あるのだけれど、それをいつものように“子供扱い”だと感じなかったのは、きっと直前に貰った言葉のせいだったのだろう。]『特別なの』[伝わると良いんだけど、と少しだけ不安げに告げる声に、何も言えなくてただ胸に顔をうずめたまま何度もこくこくと頷いてみせる。その感情が『同じ』だと言われたことを素直に信じられたのは、彼の鼓動が自分と同じくらい早鐘をうっているのをすぐそこに聴いたから。]